寿司がサブカル

 今日の予定を訊かれたので「寿司を食べに行く」と答えたら「サブカルじゃん」と言われた。そんな、バカな。

「我こそはサブカルーッ!人とは違う唯一無二の感性ーッ!」

 そういったマインドを掲げた芸大のブスたちが、血を血で洗う”私の方がセンスヤバい”戦争を激化させていった結果、原宿は核の炎に包まれ放射能にまみれたサブカルはもはや誰にも何がなんだかわからないものになってしまった。

 その過程の中で、気が付けばお寿司はサブカルになっていたらしい。

 寿司=サブカル図式を誰が取り決めたのかは調べても出てこなかったけれど、数年前から黒髪ボブの間で寿司の絵文字を使うのが”逆にわかってる”みたいな空気はたしかにあったのだ。目の下を赤くするタイプのサブカル女子には特にその傾向があった気がする。

 試しにビレバンのオンラインストアで「お寿司」と打ち込み検索をかけてみたところ、ご覧の通り画面が築地魚市場のような有様となった。目が生臭え。

 確かに寿司はサブカルらしい。「天ぷら」でも検索をかけてみたけれどこちらは一件のヒットもなかった。

 2get、テレホ、逝ってよし、とかこの間までやってたインターネット老人会のみなさんには馴染みないかもしれませんが、いつの間にかサブカルチャー憲法にサブカル語録として制定されているキーワードはそこそこ数ある。例えばおもちとか、神とか、パンダの絵文字とか。

 

 寄って見れば、その10代向けサブカル的なところには名物化しているショップ店員さんとか、モデルさんとか、そういう人たちがファッションリーダーとして機能しているよう。彼彼女らに憧れる若者はそれを参考に独自のサブカルを追求していっているらしい。

 スマホの流行とツイッターを始めとするSNSの普及からか、ナチュラルに全員が発信者となっている状況と相まって「それがアリならこれもアリでしょ」と新しいサブカルルールを提案しあうノーガードの殴り合い状態が出来上がっている。全員Rボタン壊れたままスマブラやってるような状況。

 他のファッション文化にはある程度ルールと流行りがある。よく訊く話だと今年の流行は3年前から既に取り決められているものだとか。なのでみんな最低限の約束事とか規則性の中でちょっとした個性を出すものなんだけど、サブカルの奥地ではそんなものお構いなし。固定概念は壊した方が勝ち。一番ヤバいスタンプ持ってるヤツが優勝。”茶髪は死刑”ぐらいしか法がない。メキシコのような有様よ。

 

 そういう所にビジネスチャンスを感じたアルファツイッタラーたちが、寿司のグッズとかキャラとか作ったり、適当にフリーメイソンとかイルミナティとか山羊の頭とかそういう宗教っぽいモチーフの白黒のXLサイズTシャツを販売したり。

 ジジイ→JKリフレで働く中高生→サブカル風商品→胴元のジジイ、という美しい流れで経済の流転を感じます。それはそれで、いいんだと思います僕は。10代の性サービス業界という市場を通してすべて江崎ビス子に行きつくのです。

 

 そんなことを考えながら食べた一皿90円の寿司からは、別にサブカルの味はしませんでした。

 それでは。

-雑記

1991年8月4日生まれ。獅子座のO型。