泌尿器科の診察室を出るときに脳が何かを勘違いしてつい電気消してった

 タイトル以上のことは何もないんだけど、最近泌尿器科に行った。

 ブラウザを開いたみなさんに急に小水をぶっかけるような出だしになって申し訳ない。が、先に断っておく。この先はずっと尿の話だ。俺の膀胱に迷い込んだものかと諦めて読み進めてほしい。

 小さい頃から身体が弱く免疫力がいまいちなので、数年に一回ペースで尿道炎になるのだ。そのたび泌尿器科にかかり薬をいただいて治している。今回も排尿時の違和感を感じ取り医者にかかることにした。

 で、慣れた足取りで泌尿器科に行ったわけだけれど、診察券を渡すとすぐに別口から看護師さんがやってきて

「このコップにおしっこをしてください」

 と真面目な顔で一言。あらあらこの子… 文字に起こしてみるととんでもないお願いですねえ… 性的な興奮すら感じる。この人、毎日他人に排泄を懇願してるんだ… へえ… いいじゃん…

 のだけどわたくしウッカリさんですんで尿をもうつい先ほどしてきてしまったんですね。困った。その旨をさきほどのいやらしい変態看護師に伝えると。

「がんばってください」

 と、ピシャリ。

 は?頑張るだと?何事も頑張りでなんとかなると思ってるクチか?体育の教師か?

 と一瞬思ったんですけど俺はもう従うしかありません。なんせ排尿時に違和感がある身ですんでね。へへ。外に出てコンビニでビールを2缶買い700ml飲み干しトイレに駆け込んで時を待った。先ほど飲んだビールがすぐ飲めないビールになって採尿カップに注がれた。俺は一体何をしているんだろうと首を傾げた。

 そうして10分ほど待って酔いが軽く回ってきたころに「伊藤さん」と俺を呼ぶ声がしたので、よろよろと診察室に足を向けた。

 あんまり好きな言葉じゃないが、言うなれば美魔女風の女医の先生が「おかけください」と一言。足をそろえて座ると美魔女は俺から目線を外してつらつら症状の説明を始めた。尿道に炎症が軽く起きているらしい。排尿時の違和感はそのためらしい。尿道炎だそうだ。

「二日分お薬出しておきますね。それで治らなかったらまたいらしてください」

 ありがとうございます。そう返事をして診察は終わった。終わったのだけれど何だろう。尿だの尿道だの、尿々言われすぎたせいか、脳に何かへんなスイッチが入ったらしい。また、酒も入っていた。

 診察室を出るときに、ごく自然な流れで俺は電気を消していった。俺は育ちが良い。トイレの電気はちゃんと消す。そう。母の敬虔な教えが悲劇を生んだ。

 まっくらに暗転する診察室。振り返る俺。闇の中で無表情の美魔女。

「ありがとうございました」

 もう一度そういって電気をつけて俺は出ていった。

 会計は1072円だった。

-雑記

1991年8月4日生まれ。獅子座のO型。