フィクションにおける痛みに対するインフレ

 まとめていたコピー用紙の束から一枚が抜け落ちた拍子に、指先をするりと切っていった。

 今、指を咥え涙を浮かべてこれを書いている。本当に痛い。痛みにはいろいろと種類があるけれどぼくは切り傷がダントツで痛いと睨んでいる。痛い。

 怪我をしたときにいつも思うんだけれど、漫画とかゲームのキャラクターのみなさん、痛みに強すぎませんか。こう、刀とかで斬られたり殴られて吹っ飛ばされたりしても

「なかなかやるじゃねえか…」

 みたいな。嘘でしょ。保健室行きなよ。フィクションにリアリティを求めるのはそりゃ無粋だけれどそれにしても、フィクション世界での痛みに対する無感覚さがインフレしてやしないか。もっと痛がっていいとおもう。

 こう、漫画とかで敵の刃物が頬を掠め、血が滲んでからツーと垂れて

(な、俺が全く反応できないだと…?)

 みたいなシーンよくあるけれど真人間なら

「痛った!!え、何…?」

 ってなるべき。なれ痛がれ。

 現実世界での例だと、板垣退助が演説中に暴漢に左胸を刺された際

「板垣死すとも自由は死せず!」

 なんて風に言ったよ。と、義務教育では教えられてると思うんだけど、正確にはあれは搬送先で死ぬ間際に言った言葉らしいく、実際のところは

「痛くてたらまねえ、医者呼んでくれ」

 だったそうな。そうだよね。そうだろ普通。みんながおかしいだけで、退助が普通だから。

 最近なんかは、ごく普通の高校生っていう設定でも頭からダラダラ流血しながらも平然と立ち上がったりするよね。そんなヤツはもう親知らず麻酔なしで抜けよな。「卍解!!」つって

 あと敵に吹っ飛ばされて(吹っ飛ばされるような威力で殴られてるのに身体に穴が開かないのもどうかと思うけど)壁に激突して

「ガハッ」

 とか言いながら血を吐く表現を見かけるけど、それ絶対出しちゃダメなタイプの血でしょうよ。平気なの?いくらサイヤ人でも内臓から出る血はマズくないんですか。

 そんなことを考えてしまうので、怪我を素直に痛がる主人公とかいたら好感を持ってしまうかもしれない。そういう少年漫画もあっていいんじゃないか。「あいつ、23話の怪我まだ治ってないじゃん!」みたいな。そんなやつがいたら好きだなあ。ジョジョとか1話またぐと重症が完治してるもん。血が噴き出るような傷は、縫わないと治らないですよ承太郎さん。

 指痛い。

-雑記

1991年8月4日生まれ。獅子座のO型。