石左、死す。

久しぶりに石左と会った。

最後に会ったのは6月、石左が二子玉川にある病院を退院した直後だった。
その時期、僕は石左の自宅にあるPCの動画編集ソフトを借りて、自分のバンドのミュージックビデオ(僕が女装してるやつ。人様の家で何やってんだ)を作っていたのだが「地下室TIMESの人の家で作業してるバンドマンとか、地獄かよ」なんて一人でブツブツ思っていたら家の主はアルコール性急性肝炎で緊急入院したので、思ってた以上に現実は地獄だった。

で、退院して戻ってきたと思ったら、なんだか妙に元気がなかった。
どうやら彼女と別れたらしい。
彼女のことは僕も知っていた。そうか、別れちゃったんだな、と思った。

それから石左は、お酒が飲めないことからくる不安と彼女と別れた悲しみから調子が狂ってしまったようで、なんとなく元気がなかったり変な時間に電話してくるわでどうにも面倒だったので「不安とは、自分自身が向き合わないと解決になりませんよ」とスピリチュアルカウンセラーのような切り口で突き放し(というか、話を聞いているうちに「これ、今はそっとしとくのが一番だな」と思ってしまったので)しばらく連絡とるのをやめていたのだった。

ちなみに僕と石左は同い年の26歳。住んでる場所が近く、たまにお酒を飲んだりするような関係である。共通の友人も何人かいるため、石左と会わない間も他の友人からはたまーに話を聞いたりはしていたのだが「最近、石くん記事のキレ悪くないっすか?」とか「この間、経堂の駅前で女と飲んだくれてたよ」とか。そんなことばかりが耳に届いてた時期もあれば、ここ最近はめっきり話を聞かなくなっていたので、すこし心配していた。

そして、この間の日曜日のこと。
用事があって石左の家の近くまで来ていたので、試しにLINEで連絡を取ってみた。
時間は午前2時40分。

「ひま?」

僕は、人のことをなんだと思っているんだろうか。

久しぶりに会う人間に対して、踏切で望遠鏡担ぐような時間に「ひま?」とだけ連絡。
自分で言うのもなんだけど、さすがは東京生まれヒップホップ(※足立区)育ち。
悪そうなやつは大体、友達の友達。

ーーーー 7分後。

石左:「おう」

頼もしいにも程があるだろ。

というわけで、久しぶりに会ってちょっとだけお酒を飲んだ。
会ったら、入院する前ほどの元気はなかったが、顔色なんかは以前より良くなっていたので安心した。

稲「最近、なにしてた?」
石「また彼女と別れた」
稲「あ、また。どんな人だったの?」

「コンビニ店員兼、地下アイドル」

2017年、一番心配しなきゃよかった話。

-雑記

11月生まれ O型 リコチェットマイガール